Story

ストーリー

魔法が人々の生活に浸透し、今や学生は魔法学校・アカデミアで魔法を勉強することが一般的となった世界。
新たに自分オリジナルの魔法を生み出すことが注目を集め、若い魔法使いの間では創作魔法を使ってお互いの力を
競い合う擬似魔法戦闘“決闘”が一種のゲームとして流行っていた。

そんな世界にはかつて凄腕の魔法使いとして名を馳せた一人の男がいた。
誰よりも才能に富んでいた彼は様々な魔法研究を行い誰も見たことの無いような新たな呪文を沢山生み出したが、ある日を境にその消息を絶ってしまった。
事件とも事故とも、また時には彼は自らの意思で姿を消したのだとも言われたが結局彼がどこへ行ったのか誰にも知ることはできなかった。
だがその魔法使いには家族がいた。
三人の子供たちは来る日も来る日も父親の帰りを待ち続けたが結局彼が戻ることは無く、家族の心は数年の月日と共に離れていってしまった。

しかし数年後のある日、突然かつて凄腕と言われた魔法使いが家族の下へと戻ってくる。
だが魔法使いは変わり果てた醜い姿となっており、またその性格も以前の彼とは大きく変わってしまっていた。
自分が醜い姿となったことによりこの世界を恨んだ彼は三人の子供たちを使ってこの世界ごと何もかもを壊してしまおうとする。

これはそんな魔法が溢れる世界での、とある家族と彼らを取り巻く友人たちの物語。
 


Contents

各章あらすじ

■第一章 底ファミリーレストラン

妹を傷つけた相手を知った少年はその男を追って深い海に落ちた。
不思議なレストランで再び復讐相手と対峙した少年だが、見知らぬウェイトレスはそんな彼を黙って見つめては何度も首を横に振る。 彼女が誰なのかも自分の本当の気持ちも、答えは全て深い水底に沈んでいた。

■第二章 崩れゆく世界にさよならを言う

どうしても家族を、父を助けたかった彼はそれが間違いだと気が付きながらも笑って誤魔化した。
同じ場所にいたはずの少年は少女の手を取って過去から歩き出す。
気が付けば周りには誰の姿もみえず、後悔と諦めの中彼は一人そこに立っていた。

■第三章 魔法使いの

初めて出来た友人が羨ましくなってしまったのはすぐの事だった。
羨望と憎悪の中で求められるまま、家族のためと少年はついにその呪文を口にする。
それが自分すら滅ぼす魔法なのだと知りつつも。

■第四章 後のワンダーランド

魔術師は杖を片手に笑った、“この魔法が解けなかったら全員消えてしまうよ”と。
遊園地の中で少女は必死に魔法を解く鍵を探し始める。
全ては懐かしく温かいあの日を取り戻すために。

■第五章 とある一家の御会議

過去には戻れないし、起きてしまった事を元に戻すことは出来ないからあの頃のようにはいかない。
けれども、もう目を反らしてはいられないから。
そうして彼はやっと子供たちと向き合う事を決めた。

「さぁ、紅茶とケーキを用意して家族会議をはじめよう。」

 


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